ラジオ波RF(高周波)と美容効果

ラジオ波RF(高周波)と美容効果

主に医療分野で利用されていましたが、美容クリニックやエステなどの美容業界でもこの技術を取り入れたマシンが利用されています。
また、家庭用でも様々なマシンが開発販売されています。そのラジオ波RF(高周波)と美容効果の特集です。

ラシオ波はもともと無線連絡に使われる電波です。
「何ヘルツ以上が高周波である」という定義はありませんが、ラジオ波とは、周波数30~300MHz(波長100km~1m)の高い電磁波のことを総して呼んでいます。
そして、radio frequency(ラジオフリークエンシー)の略でRFと言われています。

ラジオ波RF(高周波)の歴史

高周波は電磁波の一種で、電磁波はその波長と周波数によって、ラジオ波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線などに分類されています。
1864年、イギリスの理論物理学者J.C.マクスウェルが電磁波の存在を予言し、その24 年後の1888 年に電磁波の存在を実証したのが、ドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツです。

※イメージ図

 

ヘルツは電波を発見した 6 年後の 1894 年にわずか 37 歳という若さで亡くなりましたが、彼の名は周波数の単位「ヘルツ(Hz)」として残されています。

 

医療の分野では100年以上の歴史があり、様々な研究や機器の開発は行われ、ラジオ波治療は日本では 2014 年にようやく保険適応になった治療法ですが、米国では血管内治療の約4割を占めるほど、一般的な治療法です。

 

そのラジオ波が美容に使用されるようになったのは、2013年頃ぐらいと思われますが、今では、家庭用にも一般的に使用されているようになりました。

ラジオ波RF(高周波)の美容エビデンス

エビデンス(evidence)とは、「証拠」「根拠」「裏付け」「形跡」といった意味を持つ言葉で、情報や主張に対する正確性や客観性を担保するには、エビデンスが欠かせないとされています。
つまり、エビデンスがないのに「美容効果がある」とは言えないのです。
もともとラジオ波RF(高周波)の医療エビデンスはありますが、美容エビデンスはあるのでしょうか?

 

※ラジオ波RF(高周波)の美容エビデンス

目 的:ラジオ波を用いた家庭用美顔器「RF ボーテ ブルーム」と専用ゲル,マッサージを併用した際の肌質改善効果の検証を目的とした。

 

方 法:35 歳以上 59 歳以下で,肌の乾燥やたるみを感じている女性を対象として試験を実施した。
被験者の顔を,試験品「RF ボーテ ブルーム」を使用する側と試験品を使用しない側とに割付した。
試験品を使用する側の半顔は,美顔器を使用する前に被験者自身によるマッサージを行った後,試験品とゲルを併用し,1 週間に 5 回,4 週間継続して使用した。
なお,ラジオ波を用いた美顔器の使用にあたってはゲル等の使用が必須であるため,本試験においては「RF ボーテ ブルーム」専用のゲルとして開発された「RF ボーテ フローレスゲル」を用いた。
主要アウトカムは,目尻のシワグレード,フェイスライン角度,水分量,被験者自身のアンケートによる主観評価,副次アウトカムとしてほうれい線の大きさと安全性を評価した。

 

結 果:19 人で試験を開始し,19 人を解析対象とした。試験品使用側は目尻のシワグレード,フェイスライン角度,水分量において,使用前に比べ,使用直後,使用 4 週後で有意に改善し,不使用側との比較でも有意な差がみられた。
主観評価については使用前と使用 4 週後の比較で全12 項目中 11 項目で有意な改善がみられ,不使用側との比較では 1 項目で差の傾向11 項目で有意な差がみられた。
ほうれい線の大きさについては,13 人を解析対象とし,使用前と比較して使用直後,使用 4 週後のいずれにおいても有意な改善がみられた。
また,試験品の安全性についても問題がないことが確認された。

 

参考:ラジオ波を用いた美顔器による 肌質改善の効果

ラジオ波RF(高周波)の効果(メリット)

近年人気上昇中の美顔器には、ラジオ波という電磁波が用いられていることが多いです。

 

脂肪を燃焼させやすくする効果が期待できる

電磁波が、体内の細胞に振動を与え、水分や脂肪同士を振動させ、摩擦熱(ジュール熱)が生じ、体内の温度が上昇します。
その事により、血液やリンパの流れがスムーズになり、余分な老廃物や水分が体外に排出されやすくなると言う仕組みです。
つまり、脂肪を直接的に燃焼させるのではなく、体内の巡りが改善されて冷えやむくみが取れて、基礎代謝が上がって、痩せやすい体になるということです。

※イメージ図です。

美肌効果が期待できる

ラジオ波RF(高周波)は、肌を傷つけずに深層部の細胞に刺激を与えることができるため、真皮層にある線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンを作り出している細胞)が刺激を受けて、新陳代謝が活発になり、コラーゲンやエラスチンが生成され、ハリやツヤがアップする仕組みです。
つまり、むくみ、目の下のクマ、小じわ、たるみなどの改善も期待できるということです。

※イメージ図です。

ラジオ波RF(高周波)デメリット

脂肪が少ない方は効果が実感しにくい場合もある(効果を実感するには時間がかかる)

電子レンジの理屈とよく似ていて、お肌の内部に振動を与えて分子同士が擦れ合うことによって『摩擦熱(ジュール熱)』を発生させ、この摩擦熱によって分子レベルで細胞をほぐし脂肪の分解を促したりする作用のために、肌に脂肪が少ない方は、効果をあまり実感出来ない可能性があります。
また、ラジオ波は安全性が高く痛みを感じることもない事ですが、効果を実感するには、最低でも8~10回程度の施術が必要とされています。

金属アレルギーの人は注意する必要がある

金属アレルギーの発生確率は日本人の1/10とも言われています。
過去に腕時計やネックレスやピアスなどの金属部分で痒みや赤くなったなどの肌トラブルのあった経験があれば注意が必要です。
美顔器の金属部分に顔がアレルギー反応を起こしてしまう可能性があります。
また、美容クリニックや美容サロンなどで、体にボルトなどの金属が入っている部位は施術が出来ない場合もあります。

最後に(まとめ)

美容クリニックには、医師が居ますので、薬機法に定められている医療行為が可能です。
つまり、高出力のラジオ波の使用が可能です。
しかし、ラジオ波は出力が高いほど温熱効果が大きくなりますが、やけどのリスクを伴う場合もあります。
ですから、高出力のラジオ波は、医師しか使用出来ません。
エステサロンに医師は居りませんので、高出力の機器は当然使用出来ないのです。
サロンも家庭用もラジオ波は安全面に配慮した周波数や低出力製品が多いのは、そう言う理由からです。
ラジオ波に限った話ではありませんが、当然、機器にもよりますが家庭用の場合、効果の実感に時間が掛かっても気長に使用して欲しいと思います。