キャビテーション と美容効果

キャビテーション と美容効果

キャビテーション美容とは、超音波を使って皮下脂肪を破壊し、血液やリンパから排出する方法です。メスを使わないので痛みやダウンタイムが少なく、部分痩せやセルライト・むくみの改善に効果的です。

キャビテーション美容は、脂肪細胞に特殊な周波数の超音波をあてて、キャビテーション現象という気泡の発生と消滅を利用して、脂肪細胞を破壊する施術です。
脂肪細胞が破壊されると、中の脂肪が体内に溶け出し、血液やリンパから排出されることで痩せることが期待できます。
一回の施術でサイズダウンを目指すことができますが、効果の感じ方には個人差があります。

 

キャビテーションの歴史

キャビテーションとは、液体に圧力を加えることで起こる気泡の発生と消滅を指す現象で、脂肪細胞を破壊する痩身治療です。

 

そもそもキャビテーションを発見したのは、ウィリアム・フルードというイギリスの工学者です。
彼は1894年に、高速船用のプロペラが予想された性能を発揮しなかったことに気づき、その原因を調べました。
彼はプロペラの裏側に水がまとわりつくのが原因だと考えていましたが、実際には液体中に気泡が発生していることを発見しました。彼はこの現象をキャビテーションと名付けました。
キャビテーションはプロペラの効率を低下させるだけでなく、騒音や振動、エロージョンなどの問題を引き起こすこともわかりました。
キャビテーションの発見は、工学や物理学の分野に大きな影響を与えたと言われております。

 

この現象を利用して脂肪を破壊する痩身治療が開発されたのは、20世紀末から21世紀初頭にかけてです。

 

キャビテーションで脂肪を破壊する仕組みは、超音波の力を利用するものです。
キャビテーション専用のマシンで脂肪に超音波を当てると、体内の水分から気泡が発生します。
そしてその気泡が弾けるエネルギーで脂肪細胞が破壊されます。壊れた脂肪細胞は血中へ溶け出し、リンパ管や血管を通じて体外へ排出されやすい状態になります。キャビテーションは音波なので痛はないと言われています。

 

1990年代:キャビテーションの原理が医学的に発見される。

 

2000年代:キャビテーションの美容機器が開発され、欧米で人気になる。

 

2010年代:日本でもキャビテーションが広まり、クリニックやエステサロンで施術が行われるようになる。

 

2020年代:キャビテーションの技術や機器が進化し、より効果的で安全な痩身治療として注目される。

 

ざっとですが、以上がキャビテーションの歴史になります。

キャビテーションの美容エビデンス

キャビテーションを科学的に証明した研究発表については、いろいろあります。

 

 

Histological and Ultrastructural Effects of Ultrasound-induced Cavitation on Human Skin Adipose Tissue(キャビテーションの効果を顕微鏡で観察した論文):この論文では、手術で切除された人の皮膚組織にキャビテーションを行い、顕微鏡で変化を観察したところ、キャビテーションによって脂肪細胞の細胞膜が弱くなり、中の脂肪滴が放出されることが確認されました。また、キャビテーションによって脂肪細胞が死ぬことはなく、リバウンドの可能性があることも示唆されました。

 

Ultrasound cavitation versus cryolipolysis for non-invasive body contouring(キャビテーションと冷却による痩身治療の効果を比較した論文):この論文では、食事のみのダイエットとキャビテーションと食事ダイエットを組み合わせたダイエットを20人ずつのグループにそれぞれ8週間行った研究を報告しました。その結果、キャビテーションを行ったグループではウエストや皮下脂肪の厚みが明らかに減少しましたが、体重に有意な差は見られませんでした。また、キャビテーションは低周波数と高周波数の組み合わせが最も効果的であることも分かりました。

 

Noninvasive body contouring with radiofrequency, ultrasound, cryolipolysis, and low-level laser therapy(非侵襲的な痩身治療法についてレビューした論文):この論文では、ラジオ波や超音波、冷却や低レベルレーザーなどの非侵襲的な痩身治療法について、その原理や効果や安全性についてレビューしました。その中で、キャビテーションは超音波によって脂肪細胞にキャビテーション現象を起こし、その衝撃波によって脂肪細胞膜を破壊するという仕組みであることや、部分的なサイズ減少やセルライト改善に効果があることや、副作用はほとんどないことなどを述べています。

 

以上のように、キャビテーションが脂肪細胞を破壊する科学的な根拠を示す論文はいくつか存在します。ただし、キャビテーションによる痩身効果は一時的なものであり、リバウンドする可能性もあることを忘れないでください。

キャビテーションの効果(メリット)

外科手術といったメスを必要としない

キャビテーションは超音波で脂肪を溶かすため、痛みやダウンタイムもなく、身体への負担も少ないと言われています。

脂肪細胞の数が減ることで、リバウンドしにくくなります。

キャビテーションは脂肪細胞を破壊するという最大の効果が期待できます。また、セルライトやむくみの改善にも効果が期待できます。

キャビテーションは施術時間が短く、部分痩せに適しています。

10~20分程度で施術が終わり、個人差はありますが、1回の施術でもサイズダウンを目指すことができます。二の腕や背中など、筋トレや有酸素運動では落としにくい部位にもアプローチできます。

キャビテーションのデメリット

キャビテーションは即効性が期待できない。

個人差がありますが、効果が出るまでには5回〜6回程度の施術が必要と言われています。一回の施術で目に見える効果はほとんど期待できません。

まれに胃や腸の不調や中性脂肪値の上昇などが起こる可能性があります。

キャビテーション後は代謝が良くなるため、食事やアルコールの摂取に注意しないといけないという報告があります。また、キャビテーションで破壊された脂肪細胞は肝臓で分解された後、腎臓でろ過され体外へと排出されるので、肝臓や腎臓への負担があるという報告があり、肝機能や腎機能が悪い方はキャビテーションには向かないと思われます。

施術中の音に不快感を感じる方もいる。

キャビテーションは超音波で脂肪を破壊するため、施術中に高い音が発生します。この音が耳鳴りのように残ることがあります。

ごくまれに皮膚がたるんでしまうことがあります。

キャビテーションで脂肪細胞の数が減るために起こる可能性もあり、引き締め効果のあるレーザーなどを併用するか、エクササイズや筋トレをすることで予防できると言われています。

最後に(まとめ)

キャビテーションを用いた美容とは、痩せたい部分に超音波をあてて、直接皮下脂肪を破壊する方法です。
脂肪細胞膜が壊れると、中の脂肪が体内に溶け出し、老廃物として体外に排出されることで痩せることができるというメカニズムです。

 

キャビテーションを用いた美容のメリットは、以下のようなものがあります。

・痛みがなく、メスや薬剤も使用しないため、心配の少ない痩身法である。
・個人差はあるが即効性に期待がもて、1回の施術でもサイズダウンを目指すことができる。
・部分痩せに適しており、セルライトやむくみの改善にも効果が期待出来る。
・脂肪細胞数そのものを減らすことができるため、リバウンドするリスクが低い。

キャビテーションを用いた美容のデメリットは、以下のようなものがあります。

・超音波の音が耳に残る場合がある。
・肝臓や胃への負担がかかる場合がある。
・効果に個人差があり、定期的な治療が必要な場合がある。
・肌がたるむ可能性がある。

 

 

キャビテーションを用いた美容は医療行為であり、専門知識のあるドクターでなければ施術できないと言われています。
しかし、一部のサロンでは違法にキャビテーションを行っている場合もあり、トラブルを防ぐためにも、施術者や施術内容を確認することが重要と考えます。
キャビテーション美容は切らない脂肪吸引として人気が高まっていますが、他にもハイパーナイフやラジオ波など様々な方法が開発されていますので、これらの方法はそれぞれ特徴や効果に違いがありますが、自分に合った方法を選ぶことが大切と思います。